光に満ちた日の終わり おまけ1
日記にオマケとして書いた、2と3の間の出来事です。
思い切りおふざけしています。本編の雰囲気ぶち壊してもいいという方だけ読んでください。
クレア暴走してます。
彼女は突然部屋にやってきた。
現在時刻午後１１時。俺は風呂上がりで、ぼーっと本を読んでいたところだった。
そんな時間に若い女が、よりにもよって肌が透けて見えそうなネグリジェ姿でやって来た。丈は膝までしかなく、ふくらはぎから足首にかけてがなまめかしい。
「何を考えてる!?」
俺は思わず怒鳴った。こんな姿を誰かに見られたらどうするつもりなのだろう。彼女はハーネスの知識で、自分に対する認識はできているはずだと思っていただけに、困惑は大きかった。
「大丈夫です。姿を消すぐらい造作もありません」
彼女は気にせず部屋に入り、棚から酒を捕りだし、椅子に腰掛け足を組む。
「エイダがいると、お酒が飲めなくて」
「酒を飲みに来たのかよ！」
ハロイドは無防備な彼女の、あまりにもの言葉に怒鳴りつけた。
「エイダが眠りましたから。ああ、美味しい。あ、そうそう。今度発注した酒が届くから、受け取りは頼みます。私が受け取ると、周囲から偏見の目で見られますから」
「俺はいいのか!?」
「まあ飲みましょう。ほら。あなたも好きでしょう？」
クレアが酒を注ぎ俺に押しつける。ハーネスに付き合わされて強くなったが、好きなわけではない。
「まさか、これからここに酒を飲みに来る気か!?」
「いけませんか？」
「いやなんつーか、だったら服を着てこい」
彼女はふむと唸り、半分ほどなくなったグラスを眺めた。
「喜ぶと思ったのですが、趣味ではありませんでしたか？」
「趣味ってなぁ」
「もっと透けていた方が良かったですか？ 清純なぐらいがいいというデータですが」
「いろいろツッコミどころはあるが、その発言が清純じゃねぇだろ！」
ハロイドも男だ。美人の艶めかしい姿を見て不快に思うはずもない。だが、相手はあのクレアだ。素直に喜ぶはずもない。
「女性に恥をかかせないでください」
「言いたいことは山ほどあるが、誘惑しに来たんなら、真っ先に酒に飛びつくなっ！」
彼女はうーんと唸り、そしてぽんと手を打つ。
「緊張しているんですね」
「ああ、もう……そりゃするだろ！ お前は俺の師匠でもあるんだぞ！」
「では、いい精力剤がこの部屋にあるはずです。それを使えば問題ありません」
「なんで俺の部屋にそんなものを隠すっ!?」
俺はハーネスとクレアをミックスした異常さに対して、頭を抱えてゴミ箱を蹴り飛ばした。過去何も知識がなかった分、ハーネスの倫理観皆無な知識を手に入れ、彼女の知識にないことはすべてハーネスのことを信じてしまっているらしい。そうでなくて、なぜこのような行動に出るだろう。
「あらあら。ゴミを散らかすなんて子供のようですね」
「いいからお前は酒持って部屋に帰れっ！」
それからずっと、説得と教育の日々が続いた。