光に満ちた日の終わり おまけ2
日記にオマケとして書いた、2と3の間の出来事です。
思い切りおふざけしています。本編の雰囲気ぶち壊してもいいという方だけ読んでください。
クレア暴走してます。
「いやあのな。なんで俺がエイダに会わなきゃならないんだ?」
「嫌ですか?」
「嫌われてるだろ。怯えたらさすがに嫌だ」
「エイダはあなたを知りません。あなたは線が細いですし、リハビリにはいいと思います」
俺は彼女の強引さにため息をついた。ハーネスの強引さとはどこか違う。そういえば彼女は精神年齢が幼い。この強引さは子供の強引さなのではないだろうか。頭が良すぎる子供のような大人。いや、まだ大人とも言えない年頃なんだが。
クリアの侍女に睨まれながら部屋に入ると、クレアは明るく言い放つ。
「エイダ。この前話した私のフィアンセを連れてきました」
「勝手に人を婚約させるなっ!」
「ああ、怒鳴るからエイダが怯えたじゃないですかっ!」
「俺のせい!?」
実際に彼女は椅子の上で震えて小さくなっている。俺が男だからか怒鳴ったからかは分からない。
「エイダ。彼が恐いですか? いかにも軟弱で男だか女だか分からないような方ですが」
「お前……」
ハーネスの認識なのだろうが、それを含めて殴りたい気持ちだった。
エイダは少し悩んで、首を小さく縦に振る。
「少し恐いんですね。わかりました。恐くないよう、もっと可愛い服装をさせます」
エイダは少し悩んでこくりと頷く。
「おいまて」
「お姫様のような格好と、動物の着ぐるみどちらがいいですか?」
「そういう可愛いかよ」
怒鳴れないことをいいことに、話を進めるクレアが憎い。エイダは少し悩んで二本指を立てた。お姫様よりはマシだが、それはそれで嫌だ。
「わかりました。ウサギさんとクマさんとおサルさんがありますが、どれがいいですか?」
「あるのか?」
こちらは無視して、エイダは指を一本立てる。女の子だからウサギさんが好きなようだ。
「クレア、顔隠したら意味ないんじゃ」
「大丈夫です。中身が分かれば、徐々に薄くしていけばいいんです。エイダにも結婚式には出て欲しいですし」
俺は、このままずるずるとこいつの婿になるんだろうか。誰も恐くて反対しないだろうし、助けはない。
「さあ、着替えてきましょう」
「……やだ」
罪のない子供のためとはいえ、なぜそこまでプライドを捨てなければならないのか。
「わがまま言わないでください」
「お前に言われる筋合いとかないぞ。何で俺が一人でそんなことを」
「分かりました。私もやりましょう」
「え……」
彼女は固まる俺の手を引き、俺の知らない場所へと導いた。なんでこんな衣装部屋があるんだろう。なんで着ぐるみがあるんだろう。ハーネス着てたのか? それとも何か気にくわない相手に着せて笑っていたのか? ああ、何なんだこの状況は。
「さあ、着替えましょう」
誰か、この女を止めてくれ。