28話 あたしと天界
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フィオは拳を握りしめてすくと立ち上がった。輝く瞳は熱く酸い青春すら感じる。
先ほどまでは落ち込み声をかけるのもはばかられたのに、一体どうしたのだろうと皆が彼を見つめた。
「ホロムのようなナンパ男が来たのなら、やはり慶子が心配だ!」
「大丈夫だろ。あいつらは魔術重視種族の天敵だぞ。天使が一人二人来ても問題なし。むしろ諭されて変な悟りを開いて慶子好きの非人間が一人増えるだけだ」
「ダメだダメだっ! 慶子は私のなのだ!」
漫画を読んでいるアヴィシオルはフィオの言葉を適当に却下した。フィオは慶子の所有権を主張しながらじたばたする。
フィオが慶子と離れて二日目。早くも禁断症状が出かかっているらしく、先ほどから帰りたそうにしていた。彼の慶子への愛情は、子供が母親に向けるのに似ている。一日離れているだけでも不安で仕方がないのだ。
ルフトはそんな彼を飽きることなく見つめた。思う相手が自分ではないのは悔しいが、相手はあの慶子である。諦めもつく。
我が儘を言うフィオも愛らしくて華奢で、背中には羽根が生えているからなおさら素敵だ。アヴィシオルとルフトが擬態をやめて、生来の姿でいるものだから、彼も着替えて羽を伸ばしている。いつもならカーテンを閉めた自室以外では不可能なことであり、フィオにとってはいい羽休めだろう。
しかし悪魔と天使がじゃれ合うという光景は、嫉妬に狂いそうになる程度に堕落的で麗しい。
「フィオさん、向こうはひょっとしたら天使の警戒があるかもしれません。ですからしばらく様子を見ましょう。彼女に会うことなく帰るようなことにはさせません。だから、我慢しましょう」
フィオは上目づかいでじっとルフトを見つめる。涙ぐんだその瞳が彼の心を揺さぶった。顔だけ見ても彼はルフトの好みであり、身体まで完璧というのはまさに奇跡と言うべき存在だった。
今のところ、どういうわけかアヴィシオルの方に懐いているのだが、いつかきっと振り返ってくれると信じている。
「もうすぐオーリンが来ますよ」
「本当か?」
「はい。こっそり抜け出して黒衣と一緒に来るそうです。フィオさんの護衛ですし、擬態を見破れる者などいませんから、色々と役に立ってくれるでしょうね」
フィオは先ほどよりは少しばかり元気になる。
「しかしなぜクロと?」
「ほら、道が分からないでしょう。そこで日頃暇をしている黒衣に依頼したんです。彼も猫だから、天使に見つかっても素通りですよ。鬼の見分けなんて、隠せば鬼同士でもできませんからね。天使達には鬼の正体なんて教えていませんし、目立たない小動物なら簡単にたどり着けます」
「そっか、クロなら安心だな」
フィオは胸元の十字架に触れて頷いた。慶子の物だが、こういうときにはあの意志ある十字架を持ってくる。害もないし身の守りぐらいにはなるだろうから許しているが、フィオの胸元にあるとは物のくせに羨ましい限りだ。
「そうだフィオさん。最近買ったゲームがあるんですが、やりますか?」
ルフトはフィオの気を引くため、甘い餌で釣ってみる。昨日は漫画を読みふけっていたので、今日はゲームだ。
清良が睨んでいるが気にしない。彼女はただの友人であり、身内ではない。金髪や銀髪好きの彼女は、まだ一度しかフィオの髪を触っていないので、その視線はより刺々しい。
この夫婦の数少ない共通点は、髪フェチという点だ。今は魔力で黒くしているものの、本来アヴィシオルは銀髪である。清良が金髪にしてやると脅すと、元に戻すこともある。
「ルフト」
フィオは沈んだ目でルフトを見上げた。途方に暮れたような目をしている。
「どうしました」
「私は、本当にどうすればいいのだろうな」
さすがに、脳天気な彼も彼なりに悩んでいるようだ。ルフトはゲーム機を取り出しながら、できるだけ気楽に答えた。
「なるようにしかなりませんよ。今はいきなりでしたからねぇ」
「それも……そうだな」
フィオは肩を落とし、遮光カーテン越しに空を見る。
しかし彼の中にあるのは、空ではなく慶子への思いだろう。
目の前で売店で買った生菓子を食べるこの少女は、一体何の目的でここにいるのかと疑問が湧いてくる。
綺麗な女の子だ。明るくて、ハキハキして、話をしていてもなかなか楽しい。普段であれば悪くない時間だと思うが、今はまた別の意味を持っていた。
一見無力に見えるほど華奢な、明神に雇われた侍女。
しかし普通の人間ではないだろう。案内と称した見張りだ。
ちなみに、後ろからあまり隠れずついてくる男は、護衛だろうか。どちらかというと、本人はこの少女の護衛だと思っているかも知れない。
「あの馬鹿は気にしないで下さいね」
少女──真緒は看板から顔を出して憎々しげに睨み付けてくる男を馬鹿と切って捨てた。
よっぽど彼女のことが好きなのだろう。あまりにも睨まれるので、手の一つもつなげないでいる。肩でも抱いたら決闘でも申し込まれそうだった。さすがに彼もそこまでして出会って二日目の少女に入れ込むつもりはない。
「ホロムさん、次はあれ食べましょう」
彼女はクレープを完食すると、別のデザートが売られた店を指さし言う。輝くばかりの笑顔で言われ、実に断りにくい。
「真緒さん……さっきから食べてばっかりなんですが」
昼食の代わりにデザートで腹がふくれてきた。フィオを探しているのに、どういうわけか繁華街探索になっている。そのうちグルメマップを作成できるのではないかと心配になる。
「次のは我が国の伝統的な菓子です」
「さっきのは違うんですか」
「クレープは海を渡ってきた物です。和菓子は我が国の伝統です。歴史なんて知りませんけど」
真剣な顔をして、さらりと変なことを付け加える。これが憎めないところで、出し抜く気になれない要素である。もしも振り切って逃げれば、きっと彼女はおとがめを受けるだろう。こちらの性格を読んで女性ばかりあてがわれるのかも知れない。
女性は守るべきであり、泣かせてはいけないと彼が仕える主、ゼダにも日頃から言い聞かせている。
「はい、というわけでおしるこ食べましょう」
真緒はホロムの手をぐいぐい引っ張り店の中に入る。見張りというのもあるだろうが、本当に楽しんでいるようにも見える。
彼女はメニューを見て勝手に注文し、楽しげに笑っている。
「甘い物、お好きなんですか」
「うん、好き。この店、前から来たかったんだ。でもさすがに一人で入るのはねぇ」
「甘い物を好きな友人はいないのですか」
「うん、いない。私がこういうのを好きなのは物心ついたときからだけど、みんなは変に甘すぎるって嫌う」
ホロムは甘い物は嫌いではない。初めて食べる物ばかりで、好奇心もありつきあえるが、毎回だと厳しいかも知れない。
あの男も、覗いて悔しがるぐらいなら、自分からこういう場所に誘えばいいのにと、見ないようにそちらを見る。人よりも視界が広いので、彼にとっては容易なことだ。
「でも甘い物をいくら食べても満たされないし、かといって甘味じゃ酔いも出来ないし」
と彼女はため息をつく。
彼女は胃下垂なのだろうか。
「お待たせいたしました。お汁粉セットと四季の和菓子セットでございます」
「わーい。半分こずつね」
片方は個体と茶の様なのでともかくとして、片方は液体同士である。どうやつて半分にするつもりだろうか。そう考えていると、真緒が黒っぽいお世辞にも美味しそうとは思えないスープに浮いた白い物体をスプーンですくい、
「あーん」
と言って差し出した。
これはいつからデートになったのだろうかと思いながら、断るのも何だと口を開いたとき、痛いほどの視線を感じてちらと横を見ると、いつの間にか後をつけていたあの男がテーブルにかじり付くようにして睨んでいた。
いつからこんな所にしゃがんでいたのだろうか。
理由のレベルは低いが、やっていることは驚くほど高度である。
「沢樹さん、そんなところで何してるの。ホロムさんが気にして食べないじゃない」
「真緒さん……私にすらそんなことして下さったことないのに……」
「あんた、私が作ったお菓子すら食べたことないじゃない」
「甘いの苦手なんです」
それはこの男が悪い。たとえ嫌いな物であろうと、どれだけ不味かろうと、女性が愛を込めて作った物は食べなければならない。拒むのなら振られて当然である。
真緒は目を細めて床を指さした。その瞳には静かな炎がある。
きっと、何かが理由で喧嘩をしている最中に違いない。よほど許せないことがあったのだろう。そうでなければ、ここまで心配して追いかけてくる男をこうも邪険には扱わないだろう。
「おすわり」
「はい」
沢樹と呼ばれた男は、言われるがままに床に座る。見つめ合う二人。冷たい真緒に何かを期待する沢樹。
真緒はどこともなく指を差し、冷たい目のまま言う。
「ハウス」
「ええ!?」
座ったまま沢樹は身を仰け反らせた。
こちらの文化に疎いホロムはその意味が理解できない。ハウス。家。つまりは家に帰れに近い意味だろう
。ニュアンスはどうやら違うようだが。
「ハウス」
「……こんな所に、真緒さん一人置いていけません」
「ハウス」
「いやだから……」
「私の命令がきけないの?」
「うう……」
彼は立ち上がり、そろりそろりと後ずさる。周囲の視線が痛い。変質者呼ばわりとはまた違う痛さである。
「すぐ戻りますっ!」
真緒は疾走する沢樹に手を振って見送った。
「彼はどこへ?」
「明神の屋敷に。で、たぶんすぐ戻ってくるから今の内に食べましょう」
と、真緒は再びスプーンを差し出した。ホロムはそれを一口だけいただくことにした。
甘い汁だった。その甘さで思い出したのは、彼が仕える主。
この甘さを、ゼダにも教えてやりたい。
世界を彼に教えてやりたい。しかしそれは罪である。
フィオを追いかけたディノは、一体どうしているだろうか。あの堅物を絵に描いたような男は、一体どのように生活しているのだろうか。
それを考えると、行き先が不安になってきた。
きっとこの近くにいるのだが、帰ってこないなど本当に一体どんな目に合っているのだろうか。
「にゃー」
と、黒衣は鳴いた。
「クロちゃん、今日はお友達も一緒なのね。あ、ひっょとして彼女かしら」
黒衣の横でちょこんと座るアメリカンショートヘアのオーリンは、その主婦達をじっと見上げた。
道をとことこ歩いていたら、クロちゃんと言って構ってきたのだ。
「どちらに似ても美猫になるわねぇ」
「うちの子だもの」
どうやら、夜依の母とその友人らしい。
「すまないな、オーリン。しばらく撫でられてくれ」
と、彼はにゃーと言って伝えてきた。
『いいですが。慣れてますし』
犬になれ猫になれネズミになれウサギになれと言われて撫でられ続けたのが、彼がここに来てからの生活のほとんどである。黒衣の小さな恋人として撫でられてもちっとも構わない。彼には案内をしてもらっているのだ。しかもオーリンでも簡単に行ける道を通ってもらって。それがこの通りだった。
黒衣は放し飼いされていることになっているらしく、よくご近所の奥方達に撫でられるらしい。クロと書かれた首輪をしているものだから、見分けは簡単につく。
「この彼女、飼い猫なのかしらねぇ」
首輪はしているから、どうみても飼い猫だろう。喉を撫でられ、目を細めた。
しばらく撫でられていると、黒衣の飼い主が立ち上がり手を振った。
「クロちゃん、夜までには帰ってくるのよ」
そのころには黒衣は少しばかり疲れた表情で、ほっと息をついた。人間に合わせるのも大変である。こちらは彼女たちが思うほど知能が低くないのに、印象に合わせなくてはならないのだ。
黒衣はふたたび短い足で歩き出し、フィオがいるという屋敷へと向かう。
『フィオ様がいらっしゃるのは、どんなところなんですか。やはり明神のような屋敷でしょうか』
「葉野は他の明神関係に比べると質素だ。蔵もあるから広いには広いが、質素だ。使用人はいないというか、鬼が使用人のようなことをしている」
『はぁ』
「先々代が無類の女好きで、財をすべて食いつぶしてしまった。今はアヴィシオルがいるから財はあるが、質素な生活が身に付いて抜けていないらしい。というわけだから、フィオにとってはいつも通りというところだろう」
慶子も裕福なくせに質素な生活をしている。酒だけは贅沢なようだがそれ以外は質素だ。明神の対応ではなく、慶子の対応と思えばいいのだろう。
「しかし、大変だなそっちは」
『フィオ様に自覚がないのがなんとも……』
「大変だな、お前も」
気楽な座敷猫生活を送る黒衣は他人事として言う。彼は家が無くても気楽な野良猫であるのだから、どこまでも気楽である。
大変だと言うが、オーリンに大変な役目はない。せいぜいフィオの身代わりになる程度だ。知恵は他人が出してくれるし、段取りも取ってくれる。フィオはただそれにちょこんと乗るだけだ。
大変なのは、きっとそこからである。
「ん?」
黒衣が足を止めた。視線を追うと、前方から泣きながら走り来る沢樹が見えた。かなり足の速い人間が短距離を走る程度の速度で駆けている。
「あの馬鹿、怪しまれるぞ」
『また真緒さんにでもなじられたんでしょうか』
明神の家に行くと最近見られる光景なのだが、あまりフィオには見せたくないものだ。
「まあ、まさかずっと走り続けているとは思わないだろうから……問題ないな」
言うと黒衣はとことこと歩き出す。歩く姿はとても可愛い。きっと自分もそうなのだろう。
生来の姿とはかけ離れた可愛らしい姿。誰も彼が悲鳴を上げるような醜い姿だとは気付かないだろう。それが彼の存在意義だ。
「オーリン!」
突然耳に覚えのある声が、彼の名を呼んだ。声のした方を見ると、件の真緒と、どういうわけか一緒にいるホロム。
「ホロムさん、どうしたんですか?」
「あの猫! オーリン、フィオ様に仕える聖獣です」
逃げようとしたオーリンは、黒衣にひょいとくわえられた。体格はオーリンの方が少し小さいぐらいだが、親子ほどの差はない。しかし彼はそのままひょいと木に駆け上がると、ひょいひょい跳んで屋根の上に乗った。
「ちょ、だめー! 何考えてるんですか! また警察に突き出されますよ!」
追うためか服を脱ごうとするも真緒にしがみつかれて阻害されている。一般人の前で翼を出そうと思うほど、せっぱ詰まっているのだろうか。
『まさかここまで感知能力が高いとは……』
これでは彼らオロバロトの存在意義が否定されてしまう。見ただけで擬態が見抜かれてしまえば、身代わりになることも出来ない。
「とりあえず、逃げるか」
『逃げても気配を辿って追ってこられるかも知れません』
「じゃあ、入れない場所に行くか」
『入れない場所?』
「この前会ったクレハの所だ。今は街に出てきているだろうから、たぶん匿って貰える」
『そうですか……』
見つかってしまったのなら、ほとぼりが冷めるまで引きこもるというのは無理だろう。頃合いを見て、違う場所に移動しなくてはならない。
己のうかつさが、フィオから慶子を遠ざけてしまった。知らせれば、きっと彼は悲しむだろう。
「気に病むな。あれで気付くなら、どうせいつかはこうなっていたはずだ」
『そうですね』
それでも、きっかけが自分になってしまうのは、意味がない。
少し大きくなった黒衣は、オーリンをくわえて屋根づたいに鳥よりも速く跳ぶ。眼下に広がる慌ただしくも長閑な町並みを見下ろしながら、オーリンはため息をついた。
『ええっ!? オーリン見つかってクレハさんの家に避難中!?』
慶子に報告した結果、彼女は叫び背後にいるのだろうアリシアと何やら話している。
頭が痛い問題だ。真緒が引き止めてくれたおかげで追跡されることはなかったが、これで言い逃れできなくなった。
ルフトは慌てるアヴィシオル達を横目に、一人冷静に自分の携帯電話で慶子に報告した。
『なら、もういっそ捕まえて洗脳でもしてみたら?』
慶子はさらりと過激なことを言う。なんとなくそんなことが出来るらしいという情報のみ持っているものだから、言葉は軽い。
しかし、言われてみればそれも悪くない気がした。
「……そうですね。アヴィシオルに頼んで、そうしますか」
落としてしまえば話は早い。ただ天使には魅了が効きにくいらしく、難しいだろう。
「あ、アリシアさんいますよね。今は彼女の方が魅了の力は強いはずですから、お願いできませんか」
『そんなの危ないじゃない』
「私とアヴィで守りますよ。一介の護衛如きに私達が後れを取るはずもないでしょう。魔王に妖精王となる二人が揃って」
血筋だけでなれるほど、魔力を持つ種族の王は安くない。
慶子は少し待てと言い振り返りアリシアに尋ねる。
『いいって』
「そうですか。ではオーリンをおとりに使いますか。クレハさんの結界で近づけないが、近くを探しているらしいですから」
『そう。あたしは行かない方がいいわね。アリシアのこと心配だけど、兄さんも行ってくれるらしいから。常識内のあたしが行くと足手まといになりそうだものね』
彼女にはどこまでも自覚がない。おそらく天使相手なら、慶子が一番有利なはずなのだが、自覚はない。自覚されて利用しだしても困るので、彼女はフィオ同様穢れないままでいて欲しい。
「じゃあ、そちらに迎えに行きますよ」
『伝えておくわ』
慶子は受話器を置いたらしく、がしゃと音を立てて電話が切れる。
ルフトがアヴィシオルに笑みを向けると、彼は無言で立ち上がる。
「内偵はいた方が便利だな。それにアリシアにとっても将来のためになる」
「そうですね。いい糸口になると思います。あんな下っ端にアリシアさんの心が奪われるはずもありませんし」
いい具合の安全物件だ。安全物件とは、アリシアが惚れそうにもない程度の男という意味である。
アヴィシオルは車のキーを取り出し、フィオの頭を撫でてからリビングを出て行く。
「いってらっしゃい。気をつけて」
清良の声を聞きながら、ルフトはアヴィシオルの後を追った。ちなみに、アヴィシオルの免許は当然のことながら偽造である。
「まて、私も行くぞ」
「フィオさんはいてください」
「いや、行くぞ。私がいればホロムも油断するだろう」
「でも……」
役に立たないと言うことはない。魔力は高いし、扱い方も知っている。慶子がいなければ普通に優秀な天使だ。
「連れていけばいいだろ」
こちらの様子に気付いたアヴィシオルは、立ち止まったまま言った。
「過保護では、慶子とディノが一番だろう。お前がそれをしても、一番にはなれないぞ」
その通りなのだが、そう言われると腹立たしい。
「運命は自分で切り開くんだろ?」
「その通りだ。私のことなのに、アヴィ達ばかりが動いていてはだめなのだ」